寄与分

相続人の間で公平に遺産を分けるために、寄与分という制度があります。

被相続人(亡くなった人)の財産を築くために、陰ながら支えたり、無償で手伝ったりした人は、そうでない人よりも多く分けてもらうのが当たり前です。

被相続人の財産形成に寄与した分、として、受け取ることができます。

しかし、具体的な金額等を決めるのは、相続人同士の話し合いによります。
自分では相当、寄与したと思っていても、他の相続人はそうは思ってくれないかもしれません。ここでお互いの言い分がかみ合わず、なかなか合意できないのです。

お互いが譲らず、納得がいかない時は、家庭裁判所で調停をします。

寄与分をもらう方にしてみれば、全遺産の半分か、それ以上をもらって当然と思うかもしれませんが、実際の判例では認められにくいようです。

30年から40年にわたって被相続人の家業を無償で手伝ったというケースでも、全遺産の1割から3割。

妻の方が稼ぎ頭で名義だけが夫になっていたケースでも、5割がやっとです。

夫が亡くなってから妻の貢献度を主張しても、他の人には残念ながら伝わりません。
生前に遺言を書いておいてもらうのが確実です。

特別受益

被相続人(亡くなった人)から生前に多額の贈与を受けていると、相続の時に相殺されます。

兄弟のうち一人だけが結婚式の費用を出していてもらったり、マイホーム購入の頭金を出してもらっていたりすると、その分は相続に先立ってもらったものとみなします。

たとえば遺産が3,000万円あって、相続人が子供たち3人だけだと、法定相続分は1,000万円ずつです。

しかし、長男だけが結婚費用500万円を生前に出してもらっていたら、その500万円を遺産に加算すると仮定して、3,500万円を3人で分けます。長男以外は一人当たり1,166万円になります。長男は500万円を先にもらっているのでここから引いて、666万円になります。

問題は何が特別受益になるのか、ということですが、親の負担すべき扶養義務の範囲内と認められるものは、特別受益になりません。大学の学費も、親の財力にもよりますが、特別受益ではない、とされる例もあります。

土地を生前にもらったら

生前に土地をもらっていたら、特別受益に当たります。

親の土地にアパートを建てたり、自宅を建てたりして、土地を無料で使用していても、同じです。親と同居していれば特別受益にならないケースもあります。

特別受益に該当すると、他の相続人から遺産分けを主張されたときに、特別受益分を差し引きします。

相続の遺産分割は、基本的には相続人全員が同意すればOKです。
法律で、必ず特別受益分を差し引きさせられるわけではありません。

折り合いのつけどころが、難しいんですね。

生命保険金は特別受益か

相続人の一人だけが、多額な生命保険金を受け取ると、他の相続人は不公平に感じます。

民法では、相続人の間の不公平をなくすために、特別受益という制度があります。

故人から生前に、ほかの相続人よりも多くの金銭等をもらっていた相続人は、特別受益者として、ほかの相続人よりも相続財産の受け取り分を減らそう、というものです。

多額の生命保険金を受け取った相続人は、特別受益者に当たるのでしょうか?

判例は、生命保険金は特別受益に当たらない、としました。生命保険金を受け取った相続人は、保険金は保険金として受け取り、相続財産は相続財産として、遺産分割に参加できます。

ただし、他の共同相続人との間に生ずる不公平が到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には、特別受益に該当する、と判例は続いていますので、注意してください。

生前贈与の持ち戻し

相続まで待てない、または今すぐ資産が必要だといったときに、生前贈与がなされます。

しかし、相続人が複数いる場合、生前贈与は特別受益として、相続財産に持ち戻しがされますので、生前贈与を受けない相続人には平等ですが、生前贈与を受けた相続人には、せっかくもらったのになぜ返さなければいけないの?と不平等に感じてしまいますね。
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