創業オーナーが自社の株式を大量保有
遺言のないままに、自社株式を大量保有したオーナーの相続が開始すると、法定相続分の割合で相続されます。
すると、これまで会社に関係のなかった人が、会社経営に参加することになります。
円滑に事業を次の世代へ受け継ぐには、遺言状などで指示を明確にしておかなければなりません。
ちなみに、会社法では定款で定めておけば、相続人から株式を買い取ることができるようになりました。
相続開始前に定款を変更しておきましょう。
自社株式の生前贈与
株式を後継者に贈与する方法もあります。
贈与税は相続税に比べると高額ですが、年間基礎控除があり、110万円まで非課税ですので、これを利用します。
今は、世界的金融危機の影響で株価がさがっています。非上場の会社の株式評価は、同業の上場会社の株価にリンクしますので、贈与するなら今です。
1.遺留分の特例
平成21年3月1日より、遺留分に関する民法の特例が施行されました。(遺留分についてはこちらご覧ください)
長男に会社を継がせるために、親が持っている会社の株式を長男に生前贈与します。その後に会社が発展して株式の評価が上がり、親が亡くなって相続が発生すると、長男の持つ株式は、贈与のときの価格ではなく、遺産分割のときの価格で評価されて、遺留分請求の対象になってしまうという問題がありました。
2.中小企業の相続税納税猶予
平成21年度より、非上場の株式等を後継者に相続する場合、相続税が猶予されます。
要件は、つぎの2点です。
- 後継者が5年以上経営を継続すること
- 相続した株式等は一生、譲渡せず持ち続けること
企業の業績がよいと、オーナー社長が保有する株式に、多額の含み益があるとみなされ、後継者に相続した場合、相続税課税の対象になってしまいます。
3.金融支援
信用保証協会の保証枠が拡大
経営権を後継者に承継するには、何かとお金がかかります。後継者が株券や設備を買い取る購入資金、後継者に贈与したときの贈与税、共同相続人への遺留分支払い資金、当面の運転資金、等々、、、新法では、これらの資金使途のための融資が受けやすくなるよう、信用保証協会の保証制度を拡大しています。
日本政策金融公庫(かつての国金)の特別融資枠の設置
日本政策金融公庫でも、事業承継に必要な資金を借入できます。(http://www.c.jfc.go.jp/jpn/search/41.html)
これらの経営承継円滑化法による金融支援措置を受けるには、経済産業大臣の認定が必要です。事業承継に費用がかかる旨を、申請書に記載して、経済産業局に申請します。